9.イタリア:アパ-ト
私が初めて今住んでいる家を見た時の印象は、"部屋の中は結構良い、が、アパ-ト全体の外観は幽霊屋敷だ!!"というもの。 しかし、その外観をぬかせば、騒音の心配も無し(上に人が住んでいなかった+後に問題となるハトが空家の中にとどまっていたため)、冬は暖かく夏は涼し く、お湯の心配も無いと、結構ナイスな条件を揃えていたのでした。
生 活を始め半年経ったころ、天井から物音が聞こえるようになりました。と、その物音は瞬く間に大騒音へと変わったのでした。天井裏の持ち主が、賃貸用にと天 井裏を改築し始めたのです。完成まではそんなに時間を要さなかったのですが、随分と床が薄いらしく、すべてが丸聞こえ。しかも、どういう訳だか3ヶ月ごと に住居者が変わる。そして、その大半がイングリッシュスピ-カ-。バカンスついでの英語教師達という感じでした。
あ る土曜日。私がアイロンがけをしていると、何だか上の住民がものすごい勢いで女の子(英会話の生徒らしい)を口説いている!!しかも、女の子は拒否してい る(多分?)!!私は、アイロンをかけながら、「どうしよう、もしあの女の子が本当に嫌がっていたら!!助けに行ったほうが良いのかしら?でも、実はわざ とじらしているのかも(笑)」と、ぐるぐる考え、ふと、「これじゃ私は"家政婦は見た"の市原悦子じゃないか!アイロン片手だし(笑)」。ほんとにもう、 このイングリッシュ青年はすごかった。毎週末朝の3時までパ-ティ-だし(棒で天井叩くとおさまったけど)、生徒に手を出すわ(それも私の真上で~!)。 でも、感じのいい人だったけど(^-^)。
次にやってきた上の住人は、なぜかイングリッシュ老夫婦。もう、恐ろしいほどに静かだった~~(嬉しいのだけど)。歩く音さえも聞こえなくて、本当にいるの??という感じでした。
そして、老夫婦が去るころ(私がそのアパ-トに住み始めて1年経ったころ)、突然、アパ-ト全体の大改築が決行されたのです。この時の私は「3ヶ月くらい の辛抱かな・・・」などと甘い考えをもっていましたが、結局、終了までには一年半かかったのです(しかも、未完成のまま修了)。一年半の間、ホコリ・騒 音・思わぬ破損などなど、げっそりする毎日を送ったわけです。
で、その工事もほぼ終わりというところで、一階にあった店を買い取った主が、そこをレストランに改築すると言い出すではないかっ!又もや騒音の嵐。
で、その数ヵ月後、今度は隣の空家を買った主が、改築を始めた~!「もう、なんで一気にやらないのかなぁ・・・」と思いながらも、「あの空家を改築すると いうことは、中のハトがいなくなるという事ね!」と、少し喜んだのでした。
レ ストランの開店が近くなり、空家の改築が半分まで来たころ、私は自分の予想が全く外れたことに気づきました。「屋根の上のハトが確実に増えている!!この 糞の量は普通ではない・・・。」ハトは、自分の家からそう簡単に離れていかないものなのだ!中に入れないのなら、そのすぐ近くに居着いてやる!!という魂 胆なのだ!!!
レストランのオ-ナ-は頭を抱え、専門業者に糞の除去を頼む。しかし、糞は積もるばかり。それでもかなり頻繁に糞の除去をしている。そうでもしないと営業 停止になっちゃいそうだし。我が家はというと、窓際に"ハトよけ針金(そういうものがある)"を着けてからは、かなり汚されなくなったと思う。でも、やっ ぱり週一で窓際の消毒をしているなぁ・・・。
と にかく今日まで"騒音・ホコリ・破損・ハト"に悩まされてきたわけです。でも、そろそろハト以外の問題とはおさらばになりそうです。どうやら隣は完成し て、引越しに入っているようなのです(挨拶らしいものは無いけれど)。これで、多少の騒音があっても壁をぶち割ることは無いだろう。本当に長かった なぁ・・・。
あっそれと、上の住人についてもう少し付け足し。あ の老夫婦が去って、一カ月おきに住居者が入れ替わり立ち代りした後、あるイタリア人青年が1年以上住んでいました。あの人は本当に良かった!なんといって もクラッシック・ギタリスト!!素晴らしい演奏が生で聴けちゃうっ!感じも良い人だったし、夜中に変な大騒ぎしないし。・・・・・でも、ここじゃ書けない わ(ポッ)という謎の物音も聞こえてきたけれど・・・・。床が薄い宿命であろうか。私が「家政婦は見た」なのであろうか(ポッ)。今は、もう他の人(おば さん)が住んでいるからそういう音は聞こえてこないけれど・・・。その代わり、朝から晩までこのおばさんは独りで話しているんだなぁ。会話をしているの か、独り言を言っているのか・・・。はっ!やはり、こんなことまで知っていて「家政婦は見た」ではないか!



